食事マナーと箸の使い方
【忌み箸、禁じ箸、嫌い箸一覧】
嫌い箸(きらいばし)とは
不作法とされる箸使いのことで、忌み箸(いみばし)、禁じ箸(きんじばし)ともいいます。
嫌い箸の種類と意味66種一覧表
【50音順】
【名称】 | 【意味】 |
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あげ箸 | 食事中に箸を口よりも上にあげる こと。 |
洗い箸 | 吸い物や汁物、または飲み物などの中 で箸を洗うこと。 |
合わせ箸 | 箸から箸へ料理を移動させること。 また、合わせ箸は火葬後の遺骨を拾う ときに箸から箸へと遺骨を渡して骨壺 に納めること(箸と箸を合わせる)に 由来しており、箸渡し、拾い箸、移し 箸ともいいます。 |
受け箸 | 箸を持ったままの状態でお替わりを すること。 |
移し箸 | 箸から箸へと料理を移動させる (移す)こと。 |
移り箸 | ①ご飯とおかずを交互に食べずに菜 から菜へ箸を進めることで、菜の菜 ともいいます。 (菜は、おかずのこと) ■本来は、ご飯をひと口食べた後にお かずを食べ、再びご飯を食べてから 違うおかずを食べるのがよいといわれ ます。 ② いったん箸をつけた食べ物を自分 の皿に取らず、他の食べ物に箸を移 すこと。 |
うら箸 | 料理に箸をつけたあと、その料理を 取らずに箸を引いて戻すこと。 |
おがみ箸 | 両手の親指のつけ根付近に箸を渡し た状態で軽くはさんで持ち、手を合 わせておがむようにする動作のこと。 とくに、食事の前の「いただきます」 を言うときに、この動作をする方が おられますので注意してください。 |
落とし箸 | 食事中に持っている箸を落とすこと。 |
返し箸 | 箸の上下を返して逆さまに持ちかえ、 口をつけた部分が料理に触れないよう にすることで、逆さ箸ともいいます。 ■多人数の大皿盛りや取り回し鉢 が出されたときに、取り箸がない場 合などに見られる動作ですが、持ち 手側には雑菌が付着しているため、 一緒に食事をしている方々に不快感 を与えてしまいますので、料理を出 してくれる人に取り箸をお願いされ ることをおすすめいたします。 |
かき箸 | 茶碗や食器を口にあてて、 箸でかき込む食べ方をいいます。 (箸の持ち側で頭や首などをかく動 作をこの名で呼ぶ場合もあります) |
かさね箸 | 同じ料理ばかりを重ねて食べ続ける こと。 |
かし箸 | 料理に箸をつけたあと、その料理を 取らずに箸を引いて戻すこと。 |
かみ箸 | 食事中に箸を噛む(かむ)こと。 |
くわえ箸 | 食事中に箸をくわえること。 |
こじ箸 | 盛られた料理を上から順に食べず、 下からこじ起こして食べること。 「別名」ほじり箸、もじ箸、ひき箸 |
こすり箸 | 木や竹製の食事箸や割り箸のささく れ等をこすり合わせて落とすこと。 |
込み箸 | 箸で口の中へ物を押し込むようにして 食べること。 |
込み腹 | 込み箸と同じ意味 |
菜の菜 | ご飯とおかずを交互に食べずに菜から 菜へ箸を進めることをいい、移り箸 ともいう。 ※菜(さい・な)は、おかずのこと で、惣菜(そうざい)を表す「御菜 (おさい)」からきた言葉といわれ ます。 |
逆さ箸 | 箸の上下を逆さにして持ちかえ、 口をつけた部分が料理に触れないよう にすることで、返し箸ともいいます。 |
探り箸 | 箸で汁物をかき混ぜて中身を探る こと。 |
刺し箸 | 料理を箸で突き刺すことをいい、 突き箸とも呼ばれます。 ■刺し箸は、つるつるとすべってつか みにくい食品や里芋の煮物などで多く 見られます。 |
指し箸 | 食事中に箸で人や物などを指し示す こと。 ■箸にかかわらず、ゆびや物で人を 指す行為は非常に不快な思いを相手 に与え、もめる原因にもなりますの で注意してください。 |
じか箸 | 多人数の料理をひとつの器に盛り合わ せた大皿盛りや取り回し鉢のときに、 専用の取り箸を使わず、各自の箸を 用いて料理を自分の小皿に取ること。 |
すかし箸 | 骨つきの状態で調理された魚の上身 (うわみ)を食べ、骨を取らずにそ のまま下側の身を箸でつついたり、 ほじったりしながら食べること。 ■魚を食べるさいは、裏返さずに中骨 を取り除いていただくのが基本で、 血合い骨などの細かい骨は1カ所に まとめておくと上品にうつります。 |
せせり箸 | 箸で食べ物を繰り返しつつく動作。 ■または、箸を爪楊枝(つまようじ) のように用いて歯の間に挟まったもの を取ることです。 後者は「ようじ箸」ともいいます。 |
そら箸 | 料理に箸をつけたあと、その料理を 取らずに箸を引いて戻すこと。 箸を逸らす(そらす)という意味。 |
そろえ箸 | 2本の箸を食器や食卓の上で立て、 箸先を揃えること。 ■飲食店従事者が調理を行うさい、 この動作をされる方を見かけますが、 普段のくせが食事中にも出てしまう 可能性がありますので、気をつけて いただきたいと思います。 |
たたき箸 | 箸で器をたたくことです。 |
立て箸 | 箸をご飯に突き刺して立てること。 ■仏式の葬儀のときに、ご飯を死者に 捧げる方法であるため、仏箸(ほとけ ばし)ともいいます。 |
ちがい箸 | 木と竹などの材質が異なる箸を一対に して使うこと。 火葬した後の遺骨を拾うときに違う 箸を一対にして用いることから忌み 嫌われ、弔事(ちょうじ)の御骨拾い では竹と木の箸を使用するため、 「竹木箸」とも呼ばれます。 |
ちぎり箸 | 箸を両方の手に1本ずつ持った状態で 料理をおさえ、ナイフとフォークを 使うようにして食品をちぎる動作。 |
調ぶく箸 | 食べ終わってから箸を置くときに、 逆向きに置くこと。 |
突き箸 | 料理を箸で突き刺すことをいい 「刺し箸」とも呼ばれます。 |
なまじ箸 | どの料理を食べるかを迷いながら、 箸をあちこちと動かすことをいい、 まよい箸、まどい箸とも呼ばれます。 |
なみだ箸 | つけ汁をつけた料理を口へ運ぶときに 汁を落としたり、汁を箸からしずくの ように落とすこと。 |
にぎり箸 | 箸を握り込むようにして食べる動作。 ■人指し指、中指、薬指で2本の箸を 上手に挟めない幼児に多くみられる箸 の持ち方で、見た目が悪いため、食事 方法や礼儀作法を重んじる日本では非 常に好まれない使い方です。 |
ねぶり箸 | 箸を口の中に入れてなめること。 |
箸なまり | 同じ料理ばかりをいつまでも食べて いること。 |
橋箸 | 食器の上に箸を渡した状態で「橋」の ように置くことをいい渡し箸(わたし ばし)とも呼ばれます。 |
箸わたし | 箸から箸へと料理を移動させて渡す こと。 ■箸渡しは火葬後の遺骨を拾うときに 箸から箸へと遺骨を移して骨壺に納め る作法に由来しています。 |
はね箸 | 食事をしながら嫌いな物や食べたく ない物を、箸ではねのけること。 |
ひき箸 | 器に盛られた料理を上から順に食べず 下からこじ起こして食べること。 |
左箸 | 箸を左手で使うことをいいます。 ■この嫌い箸は、小さい内に箸を右手 に矯正(きょうせい)していない左利 きの人の場合は困難なため、無作法と されていますが、ある程度仕方がない 部分はあると思います。 |
拾い箸 | 箸から箸へと料理を移動させること。 火葬後の遺骨を拾うときに箸から箸へ と遺骨を渡して骨壺に納めることに由 来しており、別名を箸渡し、合わせ箸 、移し箸といいます。 |
二人箸 | 食卓上の1つの料理に対して2人以上 が一緒に箸をつけること。 |
振り上げ箸 | 箸先を手の甲よりも上に振りあげる こと。 |
振り箸 | 吸い物や汁物を食べるさい、箸先に ついた汁けの水滴を振り取ったり、 箸を振って小さい食品を落とすこと。 |
ほじり箸 | 器に盛られた料理を上から順に食べず 下からほじったり、こじ起こしたりし て食べること。 |
ほとけ箸 | 箸をご飯に突き刺して立てることで、 「立て箸」ともいいます。 |
またもり | 茶碗に盛られた飯を、箸でひと口大に 押し固めることをいいます。 |
まどい箸 | どの料理を食べるかを惑いながら、 箸をあちこちと動かすことをいい、 迷い箸、なまじ箸とも呼ばれます。 |
迷い箸 | まどい箸と同じ意味。 |
回し箸 | 汁物の椀の中をかき回すこと。 |
もぎくわえ | 器やグラスなどを動かすときに、 いったん箸を膳に置かず、箸を横に して口にくわえること。 |
もぎ箸 | 箸についた飯粒や汁物のわかめなどを 口で捥(も)ぎ取ることで、横箸、 もぎ食いともいいます。 |
もぎり箸 | もぎ箸と同じ意味。 |
もじ箸 | 器に盛られた料理を上から順に食べず 下からこじ起こして食べることです。 「別名」 ほじり箸、こじ箸、ひき箸 |
持ち箸 | 使っている箸をそのまま手の中に抱え 込み、同時に他の食器を持つこと。 |
もろおこし | 器と箸を同時に取ることをいいます。 ■正しくは、器を両手で取り上げて 左手にのせたあとに右手で箸を上から 取ります。 そして、器を持っている左手の小指と 薬指の間に箸を挟んで、下から右手の 親指と人差し指の間に持ち替えて食べ ます。 |
ようじ箸 | 箸を爪楊枝(つまようじ)がわりに すること。 |
横箸 | 2本の箸をそろえてスプーンのように 持ち、料理をすくい上げる、または 箸をなめる動作のこと。 |
寄せ箸 | お膳の向こう側にある器を手で取らず に、箸先で手前に引いて動かすこと。 |
渡し箸 | 食器の上に箸を渡した状態で置くこと をいい橋箸とも呼ばれます。 |
渡り箸 | ①いったん箸をつけた食べ物を自分の 皿に取らず、他の物に箸を移すこと。 ②ご飯とおかずを交互に食べず、 菜から菜へ箸を進めることをいい、 移り箸、菜の菜とも呼ばれます。 (菜は、おかずのこと) ■本来は、ご飯をひと口食べた後には おかずを食べ、再びご飯を食べてから 違うおかずに箸をつけるのが良いとさ れます。 |
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