塩の使い方4つと、その効果!
今回は塩の使い方についてご紹介したいと思いますので参考にしてください。
日本料理に欠かせない塩の使い方と効果
1.かくし味の塩
塩に限ってのことではないですが、調味料の味をそのまま口に運ぶことは、ほとんどありませんので、食材の旨味と持ち味をいかす使い方をしてください。
そして、例のひとつですが、塩味だけの焼き魚でも魚の旨味と塩の味がうまく重なり合うことで美味しく感じるというのがあります。
塩の対比効果について
2種類以上の異なる味を同時に味わったときに、一方または両方の味が強くなる現象を「味の対比効果」といい、よく知られている例がスイカに塩をつけると甘味が増す場合の効果です。
この甘味や旨味を強める「対比効果」の違った例では、お汁粉などに塩を感じない程度加えると、甘味を引き立てて全体の味がすっきりと締まるというのがあり、これが「かくし味の塩」または「かくし塩」と呼ばれるものです。
そして、二杯酢や三杯酢などの合せ酢は塩味を主体とする対比効果を利用していることが多く、目的や用途に合せて醤油の変わりに塩を使う場合もあります。
2.ふり塩
キュウリに塩をふると水分が出てしんなりとするときのものです。
生野菜の組織は水を自由に通しますが、塩や砂糖などの水以外の分子はなかなか通過できないという性質があります。
野菜に塩をふる(ふり塩)、または濃い食塩水に漬ける(立塩)をすると、水が細胞の外へ引き出されて野菜はしんなりとなります。
この作用から酢の物のキュウリやサンドイッチのレタスは、あらかじめ塩をふって水分を引き出してから使います。
そして、和え物に早くから和え衣をかけると脱水が起こって水っぽくなるもの同じ理由からです。
3.色止めの塩(褐変防止)
リンゴ、モモ、レンコン、ゴボウなど、いろいろな野菜や果物の皮をむいたり、切ったりして時間がたつと切り口が茶色くなりますが(褐変)、皮をむいたあと食塩水に漬けておくと食材の色はほとんど変化しません。
これは、褐変が空気中の酵素と植物中の酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ)によって起こるためで、切った野菜を素早く水に放つと、酸素を一時的に遮断して褐変を抑えてくれます。
また、食塩は酸化酵素の作用を抑える効果がありますので、ナシやリンゴなどを食塩水に浸すと、褐変を防いで味も良くなります。
※ 果物の場合は食塩水の濃度が濃過ぎると、甘辛くなってしまい、味のバランスが悪くなりますので注意してください。
4.魚の姿焼きのひれにつける塩
姿焼きの魚を焼く際のひれは表面に突出していますので、直火にあたってすぐに焦げてしまいますから「化粧塩」という手法を使って、ひれの部分に塩をつけて見栄えを良くしてから焼きます。
(このときの温度は500℃~600℃にもなります)
これを防ぐために塩をまぶして防壁を作り、ひれが焦げないようにして焼くのが化粧塩です。
そして、塩は魚体から水分を引き出して魚の生臭さを取り、焼いたときに早く表面を固めて内側の旨味を守ってくれる作用もあります。
■ 塩は30分~1時間前にふることもありますが、皮が厚くて脂肪分の多い魚は多少早めにし、その逆の場合は直前にふる方が良い結果が得られます。
また、白身の魚は早く塩をふると締まり過ぎて固くなりますので、焼く直前にふるようにしてください。
【関連】⇒「焼き魚の化粧塩~簡単手順」
塩を入れるタイミング
野菜やイモなどを煮る場合、塩分は砂糖よりもあとに加えてください。
これは、味つけでよくいわれる「さしすせそ」の順番からで、塩を先に入れてしまうと水分を引き出して組織を引き締めますので、あとから加えた旨味がはいり込みにくくなるからです。
そして、塩と砂糖を一緒に加えた場合でも塩の方が先にしみ込んでいきます。
だだし、これは味をじっくり材料の中まで含ませたい煮物の場合で、材料がやわらかくなったところに砂糖を入れ、味がしみ込んでから塩や醤油を加えてください。
【関連】日本料理に必要な醤油の知識
今回は塩の使い分けと効果をご紹介いたしました。塩を使う際の参考にお役立てください。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。