料理の食材集
料理の雑学、豆知識【和食の料理用語集】
鮑(あわび)
ミミガイ科の巻き貝、殻は平らで丸みを帯びた耳型をし、表面には1列に並ぶ「呼水孔(こすいこう)」という穴が4~5個ある。(アワビはこの穴を通して海水をエラに送り込んで呼吸している)
水深20m程度で水が澄んだ潮の流れが良い岩と岩の間や、水面上にわずかだけ姿を現している岩など、身をひそめられるところにすむ。
ワカメ、アラメ、カジメのような褐藻類(かっそうるい)を食べており、殻高20㎝・殻幅17㎝程度の食用になるまでには4~5年かかる。
種類
マダカアワビ、メガイアワビ(別名ビワガイ)、クロアワビ(別名オガイ・アオガイ)、の3種がある。
マダカアワビはアワビの中で最も大きくなる種類で、東海地方よりも南のほうに多く生息している。
肉がやわらかく、塩蔵後に煮熟乾燥して中華料理の材料の明鮑(ミンパオ)を作るのに適している。
メガイアワビは殻が比較的うすくて外形は丸みを帯びており、肉質はやわらかく、東北から四国、九州にかけて分布している。
クロアワビは長円形の殻で、北海道や東北地方に生息し、エゾアワビと呼ばれるものはクロアワビの北方型である。
生食にするほか、明鮑(ミンパオ)と同じ作り方をしてからカビづけした干しアワビ、灰鮑(ホイパオ)を作る。
旬
アワビの産卵期は11月ごろのため、8~10月が旬で、冬は肉がやせているため不味である。
調理
アワビは生きたものを生で食べるのが最もおいしい食べ方で、こりこりした歯ごたえが特徴。
あら塩でゴシゴシこすって洗うと粘質物が取れて身がひきしまり、主に刺身や酢の物に用いる。
脂肪は少なく味は淡泊だが、上品なので高級料理に使われる。
日本料理では持ち味をいかして塩蒸しなどにも利用し、西洋料理ではゆでてワインで煮てからバター焼き、コキール、サラダ等に使う。
中国料理には独特の旨味を持つ干しアワビを用い、たっぷりの水を加えて沸騰させたものをひと晩おいてもどし、前菜、スープ、炒め物などに使う。
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【関連】
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【参考】