【夏の献立】
うなぎの印籠煮(いんろうに)
今回は、うなぎの印籠煮を作る方法と骨を取るコツをご紹介したいと思いますので夏の煮物や和食調理にお役立てください。
うなぎの印籠煮の作り方とコツ
印籠煮の骨を取るコツ
「うなぎの下ごしらえ」
【1】うなぎを水洗いしてぬめりをおとし、内臓を丁寧に取りのぞいてください。
■ このとき、手ぬぐいやダスターをうなぎに巻きつけ、頭から尾にむけてしごくように洗うと「ぬめり」が取りやすいです。
そして、もう一度水洗いをして血合いや汚れをきれいに取ってください。
※ うなぎの肝は吸い物や肝焼きに利用できますので、つぶさないよう丁寧に取ってください。
【2】次に、頭と尾を切り落として4~5㎝の筒切りにしてください。
そして、蒸し器で一度火を通してから下焼き(白焼き)してください。
白焼きと骨を取るコツ
■ うなぎは生きているものを使いますので、蒸さずに焼くと身が反り返り、骨からはがれて見た目が悪くなります。
ですが、一度蒸すと活けの身が落ち着いて形がくずれずに白焼きできます。
【3】このあと、中骨を骨抜きで挟んで引き抜いてください。
煮汁の割合と煮る工程
(材料)
うなぎ1尾、実山椒適量、土しょうが少々
「煮汁の割合」
水 | 500㏄ |
酒 | 500㏄ |
酢 | 小さじ 1 |
砂糖 | 大さじ 3 |
みりん | 大さじ 2 |
濃口醤油 | 大さじ 3 |
たまり醤油 | 大さじ 1 |
※ 生の山椒は香りと辛さが強いですから入れすぎに注意してください。
■ 醤油で一度煮てあるものは味がまろやかで使いやすいです。
「煮る工程」
【4】うなぎを鍋に並べて水、酒、酢を入れてください。
そして、臭み消しの土しょうがを加えて、落し蓋をした状態で強火にかけてください。
■ 煮汁に酢を入れる理由は味をしめてやわらかく仕上げるためです。
また、さばの味噌煮や豚の角煮などは仕上げに少量の酢を加えと、味が引きしまってさっぱりと煮あがります。
【5】煮汁が沸騰したところでアクを取りのぞき、中火の弱火ていどにしてください。
そして、山椒の実と砂糖を入れて約5分煮たあと、醤油を加えて弱火でじっくりと煮てください。
■ 煮るときの目安時間は約30分間で、最初の煮汁が半量になるまで煮てください。
【6】このあと、みりんを加えて煮汁が1/4になるまで味を含ませてください。
【7】そして、色付けのたまり醤油を加えて鍋を少し傾け、煮汁をうなぎにかけながら1/5程度まで煮詰めて照りとつやを出してください。
【8】このあと、そのまま冷まして味をなじませると完成です。
冷蔵庫で保存したものを盛りつけるときのポイント
印籠煮を冷蔵庫に入れると煮こごり状態で身がかたくなっていますので、八寸や前菜として盛る場合は一度温めて常温にしておいてください。
■ うなぎの身が非常にやわらかく、温めてすぐに盛りつけると印籠の形がくずれることが多いです。
そして、炊き合わせに使う場合は加熱できる器で蒸しあげると形がくずれずに済みます。
※ 蒸した器でそのまま盛る場合は鉢が熱くなっていますので、蒸し物を出すときと同じように下皿を敷くなどしてください。
■ 印籠煮の語源につきましては≫「煮物の語源、意味、由来、料理用語集【印籠煮とは】」に掲載しております。
【関連】
「添え野菜」
今回は印籠煮をご紹介いたしましたが、骨を取らずに鮎やあまごも同じように煮ることができますので参考にされてはいかがでしょうか。
「煮物関連」
調味料割合につきましては≫「和食の調味料、割合と配合」に掲載しておりますのでお役立てください。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。