焼き物レシピの基本と応用
魚介類に関連した料理内容
焼き魚の皮目に切り込みを入れる4つの理由
①火の通りをよくする効果
魚体がさほど大きくなく、下処理の段階で皮が広範囲にわたって残る切り方をするサバ、サワラの幼魚のサゴシ等を焼くときや、サンマの塩焼きなどの内臓まで火を通す必要がある場合に行います。(小さい魚や焼き上がりを泳いでいる状態に見せるアユの塩焼きなどは例外)
【サバの柚庵焼き(ゆうあんやき)】
【サゴシの西京焼き】
また、アジやカマスなどは仕上げの形に応じて片方(片づま折り)、もしくは両方を折り曲げる状態(両づま折り)に串を刺すため、火を通すのに時間がかかることから皮目に切り込みを入れます。
【カマスの酒焼き】両づま折り
【アジの塩焼き】片づま折り
【ブリのみそ漬け】
【サケのこうじ漬け】
■ 大きな魚の場合でも「かまの部分」をそのまま焼くときは、切り込みを入れて火の通りをよくします。
②見栄えをよくする目的
これは①の項目とも関連しますが、切り込みを入れるのであれば包丁目の幅をそろえたり、位置を工夫して焼き上がりの見栄えがよくなるように行います。
③皮がふくらむのを防ぐ役割
魚を焼くと材料自体が持つ水分が熱を加えることで蒸発しようとします。
このとき、皮目側は水蒸気の逃げ道がないため、身との間に残って皮が風船のようにふくらみます。
その部分がふくらむことで必要以上に皮がのび、ふやけたような状態になることから焼き上がりが悪くなります。
また、ふくらんだ皮はこげやすくなるために穴が開いたり、やぶれたりもします。(余分な脂分や蒸気にならなかった水分は、空気よりも重いため下に落ちてくれます)
このようなことを防ぐ役割も、皮に切り込みを入れる理由のひとつです。
■ 祝い膳のタイの姿焼きや包丁目を入れたくない他の尾頭焼き(おかしらやき)の場合は切り込みを入れずに火を通すため、下処理の段階で表面全体の皮に細い金串で小さい穴を開けて蒸気の逃げ道を作っておきます。(この調理法は針打ちといいます)
④わらび焼きや皮つきのまま他の材料を巻いて焼く場合
イカの片方を巻いて山菜のわらび型に串を刺す焼き物の場合や細長い魚で根菜、キノコ類などを巻くときに調理しやすくするための方法として切り込みを入れます。
■ 以上の4つが皮目に切り込みを入れる主な理由です。
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今回は焼き魚の皮に切り込みを入れる理由をご紹介いたしました。
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次回は違うメニューでお目にかかりたいと思います。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。