和食の料理用語集【滋賀県の郷土料理と名物料理】
日野菜茶漬け(ひのなちゃづけ)
滋賀県の郷土料理で、日野菜漬けを刻んだものを具に使用したお茶漬けのことです。
滋賀県特産の日野菜(日野地方を中心に栽培されることからこの名がある)を用いた漬物のことで、水洗いした日野菜を塩で下漬けしたのち、調味した米ぬかに本漬けして作ります。
淡い色合いが美しく、甘味があり、日野菜を細かく刻んで漬けたものは「さくら漬け」と呼ばれています。
鮒鮓(ふなずし)
鮒(ふな)を使ったなれずしのことで、琵琶湖や河川で獲れた「子持ちのげんごろうぶな」を用います。
■ 滋賀県の名物として広く知られており「近江のふなずし」ともいいます。
卵巣以外の内臓と鱗(うろこ)を取って塩漬けにしたふなを、米飯とともに半年から1年ていど漬け込み、この熟成期間に自然発酵させて作ります。
日本最古のすしともいわれており、米飯を落とした魚を薄切りにして食べるのが一般的ですが、お茶漬けの具などにも用います。
本場の滋賀県では、漬け込みに使用した米飯をすまし仕立ての吸い物に少し入れたり、そのまま食べる方々もおられます。(私の親せきが数10年前まで滋賀県でふなずしを漬けており、小さい頃に樽ごともらっていましたが、においと酸味が強く、食べなれていないとかなり厳しいです※親せきは米飯を入れた吸い物を旨いと言いながら飲んでいましたが、私には理解不能)
【追記】
現地には川魚の鰣(はす)を用いて同じように作ったものもあり、こちらは「はすずし」と呼ばれています。
■ 鰣は体長約30㎝のコイ科の淡水魚で、別名をハソ、ケタ、ケタバスといい、春先から夏にかけてが旬です。(塩焼き、から揚げ、魚田、煮つけなどの用途がある)
鮒の子付き洗い(ふなのこつきあらい)
大津地方の郷土料理で、親子和えの一種です。
琵琶湖に生息する子持ちのゲンゴロウブナを用い、熱湯に通して薄い膜をはがしバラバラにほぐした卵巣を、フナの洗いにまぶしつけたものです。
からし酢みそで食べることが多く、フナの子作りともいいます。
鮒の味噌蒸し(ふなのみそむし)
大津地方の郷土料理で、こちらも子持ちのゲンゴロウブナを用います。
フナを腹開きにして内臓を取り除き、みそを内臓のかわりに詰めて蒸した料理です。
※ 郷土料理は各地方で独自に発展しているため、地域によって材料や作り方などが多少異なる場合があります。
【関連】
≫料理の雑学、豆知識一覧
≫日本料理、会席・懐石案内所
≫献立四季報「春夏秋冬」味暦
≫煮物レシピと調味料の割合
【参考】
≫献立別の料理用語集一覧
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