赤貝(あかがい)の特徴と調理法、類似種、名の由来などを解説【料理材料と四季の旬食材】和食の料理用語集

 
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料理の雑学、豆知識【和食の料理用語集】

赤貝(あかがい)

フネガイ科、サルボウ属の2枚貝で「赤玉、本玉」とも呼ばれます。

【特徴】

貝殻は比較的大きく、殻長は12㎝程度に達します。

殻の表面には42~43本程度の放射肋(ほうしゃろく)があり、外面は淡褐色で、内面は白色。

■ 赤貝に似ているサトウ貝は、この放射肋の数が少ない(37~38本程度)ことから見分けがつきます。

放射肋とは ■2枚貝の殻頂(殻を開いたときにつながっているちょうつがい状の部分)から貝の縁(広がっている外側)に向かう、放射状の直線的な隆起のことで、赤貝の表面の「しま模様に見えるデコボコとした形状」をさします。

一直線の線の面には細かい歯がくし状に並んでおり、左右の貝殻がしっかりとかみ合っています。

【名の語源】

血液中にヘモグロビンを含有するため肉が赤く、この色から「赤貝」の名があり、古くから食用とされていたため、多くの貝塚に赤貝の殻が存在しています。

【産地】

北海道南部から九州までの沿岸に広く分布しています。

主として内湾の深さ10~20mくらいの砂泥の深い底に多く生息し、けた網などで漁獲されます。

【栄養と成分】

■ 水分 約78%、タンパク質 15.7%、糖質 3.5%(ビタミン類も含有しており、特にA効力が目立つ)

■ Ca 130mg%、コハク酸含量 100mg%、グルタミン酸含量 115mg%(コハク酸は貝類のうま味成分の代表として知られています)

【類似種】

サトウ貝、サルボウ貝

サトウ貝は、赤貝が市場では俗に「本玉(ほんだま)」と呼ばれるのに対して「ばち、ばち玉、ばっち、ばち赤」と呼ばれます。

この名の意味は「場違いの赤貝」ということで、赤貝とは違う場所で漁獲されることが多いです。

■ サトウ貝は殻や身が赤貝よりも小さく、色も薄いところが特徴で、サルボウ貝は主に赤貝の缶詰め用として使われます。

【旬】

産卵前の春が主な旬で市場にも多く出回りますが、味は冬場も良く、産卵後は味が落ちます。(産卵期6~9月)

【調理】

赤貝は、ちょうつがいの部分に専用の赤貝割りやナイフ、または出刃包丁のみねを挟み込んで、殻が割れないよう注意しながら、道具と貝を逆方向にゆっくりとねじって左右の殻を別々にはなし、片方の殻で、もう片方の殻の内側をこそげ取るようにして中の身をかき出します。(身が残った場合は箸やナイフ等で取り出す)

そして、貝柱とヒモをくっつけた状態で本体の赤い身から切りはなし、赤い身は横幅の広いほうから包丁の刃を水平に入れて半分に開きます。

■ ヒモと呼ばれる部分は、帯状の外套膜(がいとうまく)縁のことです。

このあと、開いた身の内側についている内臓を、包丁の刃を横方向に動かしながらそぎ落として、それぞれを水洗いします。(魚の腹骨をすき取るような感じで切りはなす)

塩を用いてもみ洗いする方もおられますが、身がかたくなり、塩分を含みますので、料理の用途に応じて使い分けてください。
【食べ方】

主な用途には「すし種、刺身、酢の物」があり、そぎ落とした内臓はゆでて火を通してから使います。

赤貝のいちご造り

※ 身と貝柱、ヒモは火を通すとかたくなります。

赤貝割り・赤貝むき

殻から身を取り出すときに使用する道具

赤貝割り,むくときに使用する道具

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