和食の料理用語集【和歌山県の郷土料理と名物料理】
鱓小明石煮(うつぼこあかしに)
和歌山県の郷土料理で、串本港付近の小明石浦と呼ばれた地域に伝わるウツボのつくだ煮をいいます。
■ 背開きにして干したウツボを5㎜程度に細かく切り、油で揚げて砂糖、しょうゆ等で煮込みます。
鰹の茶漬け(かつおのちゃづけ)
南紀の郷土料理で、かつおが多く獲れる時期に作られます。
■ かつおは厚切りの刺身にしたものを、しょうゆに漬けて身を少ししめておきます。
これを炊きたての飯にのせ、海苔(のり)、わさび、からしなどを添えて熱い茶をかけて食べます。
紀州の馴れ鮓(きしゅうのなれずし)
南部の郷土料理で、さば、あゆ、あじなどを使ったなれずしのことです。
■ 魚は腹を開いて塩を詰めておき、1ヵ月ていど漬け込んでからこれを洗います。
そのあと魚に飯を詰めてささの葉などで巻いたものを、樽(たる)や桶(おけ)に漬けます。
柿鮨(こけらずし)
和歌山県の名物ずしをいいます。
専用の「こけら箱」に葉蘭(はらん)を敷いてすし飯を入れ、酢でしめて薄く切った白身魚を並べて、さらに錦糸卵をのせます。
これを何段か繰り返して2~3時間ていど重しをかけ、型から1段ずつ取り出して、その1段を16切れに落として作ります。
■ 押しずしの別名
すし種を薄く切ってすし飯の上に並べた様子が、屋根をふくときの「こけら板」に似ているところから名がついています。
雀鮨(すずめずし)
こ鯛、春子鯛(かすごだい)を用いた和歌山県の名物ずしのことです。
■ 鯛の胸びれ、尾びれをスズメの羽根や尾羽のようにびんと立てて形づけることからこの名があります。
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茶粥(ちゃがゆ)
ほうじ茶や番茶などの茶を煮出した汁で炊き上げた粥(かゆ)のことです。
■ 三重県、奈良県、和歌山県などでは、現在でも朝食に茶がゆを食べる習慣が残っている地域があり、なかでも奈良県の大和がゆがよく知られています。
他の都道府県の飲食店や宿泊施設(旅館やホテル)などでも、会席料理のしめのご飯物、または朝食メニューとして、この茶がゆを用いる場合があります。
※ 郷土料理は各地方で独自に発展しているため、地域によって材料や作り方などが多少異なる場合があります。
【関連】
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≫日本料理、会席・懐石案内所
≫献立四季報「春夏秋冬」味暦
≫煮物レシピと調味料の割合
【参考】
≫献立別の料理用語集一覧
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