【鮎の串打ち方法】
詳しい内容と刺し方のコツ
今回は鮎の串打ち手順を細かく分けてご紹介したいと思います。
実際に金串が鮎のどの部分を通って進むのかを見えるように解説しておりますので、串打ちの参考にされてはいかがでしょうか。
魚介類の料理レシピから【鮎の串打ち手順とコツ】
串打ちの工程(動画)
【1】最初に、鮎の下身側(盛りつけたときの裏面)の口、または目から金串を刺し入れてください。■ 目に傷を付けたくない場合は口から刺しますが、今回は一般的な目から刺す方法です。
このとき、頭を向こう側の串を刺していないほうに少し曲げます。
【補足】
ここで、鮎のえら蓋から尾にかけての中央に、細い線があることを確認しておいてください。(親指をのせている部分)
理由は、この線の内側に中骨があり、ここを目安にして金串を刺し進めるためです。
【2】目から刺した金串を中骨の下に進めて向こう側へ通し、今度は串先を骨の上へと運びながら、胸元あたりの黄色い斑紋(はんもん)の少し後ろから出してください。■ 先ほど確認した細い線付近の皮の外に突き出す。
このとき、串先に中骨を巻き付けるように刺し進めるのがコツです。
串先は「 目 ⇒ 中骨の下 ⇒ 中骨の上 」を順に通ります。
■ 身が無い状態での金串の位置 ■
写真の解説 ■ 目から刺した串を、いったん中骨の下(写真の小指の位置)から向こう側に運び、金串に骨を巻きこみながら、今度は中骨の上へ進めてこちら側に出す。
【3】次に【2】で出した串の位置から 2~2.5㎝ 後側に串先を刺し、今度は中骨の下を通しながら向こう側に進めてください。
■ 身が無い状態での金串の位置 ■
写真の解説 ■ 中骨の下側に向けて串先を運んで、そのまま中骨を持ち上げるような感じで向こう側に刺し進めます。
このあと、刺した金串を向こう側に進めながら鮎をへの字に曲げ、泳いでいるような形を作っていきます。
■ 身が無い状態での金串の位置 ■
写真の解説 ■ 中骨の下を通して向こう側の中指のほうへ串先を進めます。
このとき、中指の先で串先の位置を確認しながら、皮の外側に突き出さないように刺し進めてください。
注:勢いよく刺し進めると指を突いてしまいますので気をつけてくださいね。
【4】今度は、中骨を串先で背のほうに持ち上げながら、左手の親指の方向(鮎の背の手前側)へ、ぐるっと回してください。
このときも先程の中指と同じく、皮の外に串が出ないよう、串先の位置を親指で確認してください。
※ 泳いでいる形にととのえるために、鮎に対して無理な力を加えますので、中の身を串で少しえぐるような感じで刺し進め、親指の先で串を確認して突き出さないように止める。
■ 身が無い状態での金串の位置 ■
写真の解説 ■ 見えやすくするために左手の親指の位置をうしろにずらしておりますが、実際は串が進む方向に親指の先があります。
【5】このあと、鮎の背に沿って5ミリ程度、串を刺し進めてください。
写真の親指の先の近くに金串の先がきています。
【6】最後に、串が中骨の手前(親指のほう)を通るように刺し進めながら、左手の人差し指では尾をこちら側に少し持ち上げ、鮎の肛門付近から串先を出してください。
■ 身が無い状態での金串の位置 ■
親指では向こう側へ軽く押さえ、それと同時に人差し指で尾を手前に起こすように曲げてください。(親指と人差し指には、逆方向の力を加えて鮎をうねらせる)そうしないと、中骨がじゃまをして串先が鮎の側面から出てしまいます。
【鮎を背中側から見た場合】
■ 写真では見えやすくするために、人差し指の位置を串の向こう側にずらしておりますが、実際は尾の部分に指をあて、手前側に力を加えながら起こしてください。(最後の串は人差し指と中指の間から出します)
以上が鮎の串打ち手順です。
【背から見た場合】
【向こう側】(鮎の表)
鮎の串打ちができているのかを確かめる方法
鮎を触らずに串を回したときに、串だけがくるくると回るときは、しっかりと刺せていない可能性があります。(鮮度が悪くて、身が緩んでいる場合は除きます)
■ 串を回したときに鮎も一緒についてくると、骨がしっかりと串に巻き付いている状態です。
【手を添えなくても背が上を向く】
※ 金串に骨が絡んでいない場合は、背のほうが重いために腹側が上にきて、串だけがくるくると回ります。
鮎のひれに化粧塩をする工程
鮎のひれが湿っている状態を確認したあと、ひれを指で挟みながら、数回に分けて塩をつけてください。
指で挟みながら塩を付けると、ひれがきれいに開いて立ちます。
■ 化粧塩には見栄えを良くすると同時に、ひれをこがさないための役割があります。
化粧塩をつけるひれの位置
鮎を寝かした状態で盛りつけるときは背びれ、尻びれ、尾びれの3か所に塩をつけ、立てて泳いでいる様子を表す場合は、胸びれと腹びれの2つずつを加えた計7カ所に化粧塩を施してください。
■ 塩をつけた胸びれと腹びれは、鮎を立てて盛るときの台の役目をします。
添え串の打ち方
2尾以上を一度に焼くときは、鮎の裏側の金串が突き出している部分に竹串を通してください。
そうすると、鮎の表と裏を焼くことができます。
【表を焼くときの状態】
1尾のみを焼くときは、鮎を返したときに支える串が足りませんので、金串を通して2本で支えてください。(この串がないと表側が重みで下に向くために返せない)
【表を焼くときの状態】
これで鮎の塩焼きの下準備は全て完了しましたので、焼く前にうすく塩を振りかけ、内臓まで火をしっかりと通してください。
【盛りつけ例①】
【盛りつけ例②】
活け鮎を焼くときのコツ
焼き物は一般に表から焼くのが基本ですが、活け鮎の場合は死後硬直を経過していないため、尾のほうの身が金串を境にして、火をあてている表側に反り返って皮が破れてしまいます。
したがいまして、活け鮎の場合は、この状況を防ぐために裏側(刺した金串が見えているほう)を先に10秒程度あぶってください。
そうすると、尾が裏側のほうに少しずつ上がってきます。
そして、このあと表に返して通常どおり火を通すと、ひれが反対側に上がってから少しずつ元に戻ります。
この手順で焼くと、尾の部分の皮が破裂しなくなりますので参考にしてみてください。
【補足】
■ しめ鮎の場合は、表から焼いても破裂することはありませんので、通常どおり火にかけても大丈夫です。
また、生きていない鮎は光に長時間あてると背の色がうすくなり、黒っぽい色があせてしまいますので、串を刺し終えたものに限らず、保存するさいは光をさえぎった状態をたもってください。
【関連】
≫鮎に関連した料理内容一覧
今回は、鮎の串打ち方法をご紹介いたしました。
他のレシピ等につきましては≫「本サイトの料理内容一覧」に掲載しておりますのでお役立ていただければ幸いです。
次回は違うメニューでお目にかかりたいと思います。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。