【和食の基本、食材の切り方】
今回は和食の基本となります、野菜の切り方や調理例などをご紹介したいと思います。
和食(日本料理)は味に加えて目でも楽めますので食材を切るときの参考にしてください。
和食の基本調理法、野菜の切り方とむき方【30種】
野菜(食材)の切り方【25種】
わぎり「輪切り」①
根菜類に多く用いられる切り方で、大根やレモンなどの丸い食材をそのまま切ることをいいます。
そして、この名の由来は「車輪」のようになっているところからきています。
らんぎり「乱切り」②
ごぼう、胡瓜、人参などの材料を手前に回しながら食材に包丁を不規則に入れ、大きさをそろえて切る切り方で、煮物や漬物などに用いる手法です。
ささぎり「笹切り」③
ねぎやごぼうなど、細長い棒状の食材を斜め切りにして笹の葉のように切る切り方です。
ささがき「笹掻き」④
ささがきは主に、ごぼうでする切り方で柳川鍋やきんぴらごぼうに多く使われます。
縦に細かく何本か包丁目を入れて、ごぼうをまな板の上で回しながら、包丁の刃先を使って鉛筆を削るように細長く、そして薄く切る方法です。
■ 笹がきごぼうの切り方とコツにつきましては≫「細く切る方法と短くなったときの対処法」に掲載しております。
せんぎり「千切り」⑤
材料を約5㎝の長さで薄く切って、その食材をさらに小口から細く切る切り方で、洋食では「ジュリエンヌ」といいます。
ぼうぎり「棒切り」⑥
材料を棒状に切る方法で、ひょうしぎ切りの長いものや、約1㎝角で10㎝程度の長さに切って料理の形状を市松模様にする際に用います。
(例)
大根と人参の市松、アスパラと人参の市松
へぎぎり「剝ぎ切り」⑦
材料をまな板につけて、包丁を手前にすべらすように薄くへいで切る方法です。
あられぎり「霰切り」⑧
材料を約0.5㎝角の小さなさいの目状にする切り方で、形があられ(霰)に似ていることからこの名があります。
(例)
あられ切りにした長芋や胡瓜と、いくらの醤油漬けをサッと和えたものを「あられ和え」と献立に書く場合があります。
きっかぎり「菊花切り」⑨
【1】たけのこや、かぶらなどの皮をむく方法のひとつで、食材の皮を「桂むき」して、波うたせながらむき、断面を菊の花のような形にする切り方です。
【2】食材を菊に見立てて切る切り方です。
(例)
かぶ(菊花かぶ)、椎茸
しきしぎり「色紙切り」⑩
食材を正方形の色紙状に切る切り方です。
(例)
大根、人参、かぶら、かぼちゃなど
とさかぎり「鶏冠切り」⑪
飾り切り手法のひとつで、人参を鶏のとさかに見立てて切ったものです。
そして、この人参を使う場合は鶏料理に添えると効果的です。
ななめぎり「斜め切り」⑫
包丁を食材に対して斜めに使って輪切りにする切り方で、ねぎ、人参、ごぼう、胡瓜、れん根、さつま芋など広く用いられます。
せんろっぽん「千六本」⑬
大根の太い千切りをさす言葉で、せんろふともいい、マッチ棒程度の太さで長さ約5㎝に切ります。
この名の由来は中国語の「センラープー」がなまったとされ、センが細いの意、ラープーが大根のことをさしています。
みじんぎり「微塵切り」⑭
食材を細くせん切りにしたあと、さらに小口から細かく切り刻むことで、しょうがや玉ねぎなどに多く用いられます。
こぐちぎり「小口切り」⑮
小口切りは細長い材料を用途に応じて、端から適度な厚さに切る基本の切り方で用途が広いです。
(例)
白ねぎ、薬味ねぎ、ニラなど
かざりぎり「飾り切り」⑯
材料を切る際に形に工夫をこらし、細工して切る方法です。
かのこぎり「鹿の子切り」⑰
材料を約5㎜の立方体に切ることで、「あられ切り」と同じような形に切ります。
また、いかやこんにゃくなどに多く用いる飾り包丁のことを「かのこ切り」という場合もあります。
じゃばらぎり「蛇腹切り」⑱
主に胡瓜に用いる切り方で、胡瓜の太さの半分まで端から薄く細かく斜めに切り込みを入れ、半回転させて同じように切り目を入れる切り方です。
切った胡瓜の形が蛇の腹のように見えることからこの名がつけられています。
【切り込みを入れ過ぎた場合の失敗例】
はんげつぎり「半月切り」⑲
大根や人参などを縦半分に切り、小口から切る切り方です。
食材を切った形が半月状なのでこの名がついています。
たんざくぎり「短冊切り」⑳
短冊切りは大根や人参で多く用いられる切り方で、七夕(たなばた)のときに願い事を書く「短冊」のような形に切る方法です。
くしがたぎり「櫛型切り」㉑
丸い材料や長円形の食材を中心に向かって放射状に切る切り方です。
(例)トマト、レモン、すだちなど
■ レモンやすだちの場合は両端の皮を少し切り落とし、竹串やまな箸の先などを使って種を取り除くと汁が絞りやすくなります。
じゃのめぎり「蛇の目切り」㉒
太い輪の形に作ったもので、胡瓜や白瓜でよく使われます。
瓜の中心を箸や芯抜きで切り抜いて、小口から切った形が蛇の目を連想させることからこの名がつけられています。
さいのめぎり「賽の目切り」㉓
食材を小さなサイコロ状に切る切り方で、「さいの目」という言葉はサイコロからきています。
材料をひょうしぎ切りしたあと、小口から約1㎝角の厚さに切り、料理の用途に応じて大きさをかえる場合があります。
(例)
大根、人参、胡瓜、芋類、豆腐など
いちょうぎり「公孫樹切り」㉔
野菜などをいちょう形に切る切り方で、大根、人参、かぶなどを縦十文字に切り分けて、これを小口から適度な厚さに切り分けます。
ひょうしぎぎり「拍子木切り」㉕
まず、材料を約5㎝の長さに切ってから約1㎝の細い棒状に切る方法で、煮物、揚げ物、酢の物などに使われることが多い切り方です。
(例)
胡瓜、うど、大根、人参、山芋など
【追記】
■きっこうぎり「亀甲切り」㉖
亀の甲羅のように六角形に切る切り方です。
■つめがたぎり「爪型切り」㉗
先を鋭角にして馬の蹄(ひづめ)型に切る方法です。
基本のむき方【5種】
まるむき「丸剥き」①
材料を球状にむく方法です。
(例)
かぼちゃ、大根、かぶ、人参、芋類など
きくむき「菊剥き」②
材料を菊の形にむく方法です。
たけのこやレモンのような丸い食材を桂むきの要領で花の丸みをつけながらむきます。
(例)たけのこ、レモンなど
しのむき「篠剥き」③
材料を細長い筒状にむく方法で、篠竹(しのだけ)のような形に切るところからこの名があり、桂むきをしたあとの芯とよく似た形をしています。
かつらむき「桂剥き」④
「桂むき」とは材料を帯状にむくことで、大根や人参のように断面の丸い材料に用いる手法のひとつです。
また、名前の由来は、京都、桂の女人集(桂女)が頭に巻いていた白い布に、材料をむいた様が似ていることからこの名がついたといわれています。
■ 桂むきの詳しい内容につきましては≫「大根けんの詳しい切り方と桂むきのコツ5つ」に掲載しております。
ろっぽうむき「六方剥き」⑤
食材の皮をむく調理法のひとつで、主に小芋やかぶらなどの皮をむく場合、断面が六角形になるように丸みをつけながらむく方法です。
四角形にした場合は「四方むき」、八角形にした場合は「八方むき」といいます。
【六方むきの応用】
【関連】
≫野菜の飾り切り100選
≫飾り切り方法のまとめ一覧
【 項目別の切り方一覧 】
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今回は和食の基本的な切り方とむき方をご紹介いたしました。
野菜の切り方を工夫すると舌ざわりや見た目がよくなって一層おいしく仕上がりますので、料理作りの参考にされてはいかがでしょうか。
また、他のレシピにつきましては≫「本サイトの料理内容一覧」に掲載しておりますのでお役立ていただければ幸いです。
次回は違う飾り切りでお目にかかりたいと思います。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。