【調理における加熱操作の分類4つ】
今回は加熱調理法の種類と特徴をご紹介したいと思いますので、お客様との会話や料理作りの参考にされてはいかがでしょうか。
加熱調理の分類4つと特徴
① 湿式加熱(しっしきかねつ)
ゆでる、煮る、蒸す、炊くなどの「水」を媒体として熱を伝える操作のことで、加熱温度は100℃迄です。
② 乾式加熱(かんしきかねつ)
焼く、揚げる、炒めるなどの加熱方法をいいます。
その種類には火や空気で熱を伝える「焼き物」、油で火を通す「揚げ物」、フライパン等の金属板で加熱する「炒め物」があり、こちらは水以外を媒体として熱を伝えます。
③ 電磁誘導加熱(でんじゆうどうかねつ)
電磁調理器を使った加熱方法です。
電磁波による誘導加熱を利用して調理器具に熱を発生させるため、ガスコンロのように火は使いません。
加熱の仕組み
調理器本体は発熱せず、硬質セラミックのトッププレート上に使用可能な鍋やフライパンをのせると、電磁力の作用で器具だけが発熱して段階的な温度調節が持続可能です。
利点と欠点
電磁調理器は、業務用装置でないと大量加熱処理には不向きです。
しかし、火を使わないために安全性が高く、室内の空気を汚染することが少ないことから、近年では家庭用調理器としての設置が広がっており、コンロ式の他にも、この原理を利用した自動温度調節機能付きフライヤー等が多く開発されています。
④ 誘電加熱(ゆうでんかねつ)
電子レンジによる加熱方法のことで、この加熱調理を誘電加熱、またはマイクロ波加熱といいます。
加熱の仕組み
マグネトロンという特殊な真空管から発射するマイクロ波に属する極超短波(ごくちょうたんぱ)により、高周波電界を形成します。
この電界中に水分を含んだ食品をおくと、食品中の水分子が振動を起こし、その運動で熱が生じて食品自身が発熱します。
■ 水分を含んでいない材料を電子レンジで調理しても熱は発生しません。
加熱調理の目的【効果と欠点】
効果
風味を増して消化しやすくする他、熱に弱い病原菌や寄生虫およびその卵を殺菌、殺虫して腐敗を防ぐ効果があり、この目的が最重要です。
欠点
その一方で、ゆで汁や煮汁に旨味や栄養成分が溶出すると共に水溶性ビタミンの B 群と C は損失して、熱に弱いビタミン類は破壊されます。
また、タンパク質などの過度の加熱は材料をかたくして逆に消化を悪くし、炭化によって栄養価値も少なくなる等の欠点があります。
以上のことから、加熱調理を行う際は欠点を考慮した上で何を優先させることが重要なのかを考えながら料理作りを楽しんでいただきたいと思います。
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今回は加熱操作の方法と調理効果についてご紹介いたしました。
料理の作り方や調味料割合などにつきましては≫「本サイトの料理内容一覧」に掲載しておりますのでお役立ていただければ幸いです。
次回は違うメニューでお目にかかりたいと思います。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。