【料理の雑学、豆知識から卓袱料理の解説】
和食の料理用語集
卓袱料理(しっぽくりょうり)とは
江戸時代初期に日本最初の開港の町とされる長崎で起こった膳組みのことです。
「卓袱」と書くことから卓の覆いを意味する唐音(とうおん)という説などがあり、円卓を囲んで、ひとつの大皿に盛りつけた料理を、めいめいが取り分けて食べる中国式の食事様式を取り入れたものです。
食器は1人2枚あての取り皿と箸、湯匙(とんすい)と呼ばれる陶製のさじで、取り箸は使わずに各自の箸で取り分けます。
円卓には宴の始まる前から刺身、酢の物、口取りなどを盛りつけた「小菜」が割り当てられます。
卓袱料理の献立の小菜(しょうさい)
元々は小さな菜の器という意味がありますが、人数分の料理を直径19~25㎝程度の平皿に盛りつけるため、それほど小さくはなく、宴が始まる前から卓上に出しておきます。
小菜盛りの皿数は3品、5品、7品の奇数とし、多いほど豪華な料理といわれます。
また、小菜は卓上に出しておきますので冷めても大丈夫な「冷菜」を原則としており、刺身、湯引き、和え物、酢の物、口取り、焼き物、揚げ物(つゆを付けずにそのまま食べられる長崎天ぷらや、少し甘めの下味をつけた空揚げの原型となる鶏肉料理のゴーレン)、香の物などが用いられます。
客が着席するとおひれと呼ぶすまし汁が出され、亭主の「おひれをどうぞ」という勧めにより宴が始まります。(あいさつや、酒はそのあとになる)
続いてみそ汁、魚菜類の煮物の大鉢、豚の角煮を入れた中鉢、汁の多い沢煮椀などが提供され、最後に甘味のしるこ・冷やした野菜や寒天、白玉だんご等をみつ豆のように砂糖みつに漬けたものなど(梅椀と呼ぶ)が出されて終わります。
≫普茶料理(ふちゃりょうり)
≫精進料理(しょうじんりょうり)
【関連】
≫料理の本来の意味とは
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